工場見学は、消費者にとってはさまざまな製品の製造工程を見ることのできる特別な機会であり、企業にとっては自社の技術や製品をアピールし、ファンを拡大する大切な事業の一つだ。今回は、 工場などを一般に向けて開くことで、消費者との新たな接点を創出し、自社の成長につなげている企業2社の取組みを紹介する。

工場見学を起点として

　近年工場見学は、子どもたちが社会科見学で訪れるものとしてだけではなく、家族やカップル、友人同士などで訪れるレジャースポットとしても認知されつつある。食品工場や飲料工場、自動車工場や機械工場など、さまざまなジャンルの製造業で工場見学が行われている。内容もバラエティーに富んでおり、製造工程を見学するだけではなく、製造体験や、できたての商品の試飲・試食など、訪れる人を楽しませるためのさまざまな工夫が施されている。また、工場見学から派生した直売店や企業ミュージアム、子ども向けの遊び場など、新たなコンテンツも次々と登場している。

　こうした取組みは、大手企業だけではなく中小企業でも行われている。今回話を伺った2社では、工場見学や直売店、遊び場など、消費者に向けた多様な接点を設け、自社の成長や発展につなげていた。これらの取組みを始めるに至った経緯や目的、組織づくりに対する思い、そしてこの先目指す姿について、経営者はどのように考えているのだろうか。