多摩けいざい
たましん地域経済研究所レポート
子育て環境リサーチ2022
2022年4月25日
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保育
保育サービスの利用のしやすさは、特に共働き世帯にとってはそれだけで大きな魅力の一つとなる。本調査では、「待機児童率」、「待機児童率の減少幅」、「未就学児1万人当たりの認可保育施設数」の3つの指標によって保育サービスの量的な充実度を測っている。
得点が高かった武蔵野市と福生市では、2020年と2021年の待機児童数がともにゼロであった。武蔵野市は「待機児童率の減少幅」についても大きく、保育サービス充足への自治体の努力が表れた結果となった。また、福生市のホームページでは、市内全ての認可保育園を紹介する動画が公開されており、利用者の目線に立った情報発信が充実している。
なお、一時期大きな社会問題となった待機児童数は2017年前後をピークに年々減少している。近年はゼロに近い自治体も増えており、2021年に待機児童が10人以下であったのは26自治体中8つであった(武蔵野市、青梅市、福生市、東大和市、清瀬市、稲城市、羽村市、あきる野市)。また、「待機児童率の減少幅」が大きかったのは、武蔵野市の他には小金井市、狛江市などであった。
「未就学児1万人当たりの認可保育施設数」は、青梅市、国分寺市、福生市で多い結果となった。
教育
教育の軸では、学力・運動・その他の3つのカテゴリーを合計し得点を算出した。子育てをする中で学齢期以降の子どもにとって学校教育が占めるウエイトは大きい。長い時間を過ごす小中学校はもちろん、放課後は部活動に参加したり学童クラブへ通ったりする子どもも多く、親が子どものためにより良い教育環境を望むのは、自然なことである。
国分寺市は全体的に高得点であったが、特にその他カテゴリーの得点が高く、中でも「7~12歳の児童1万人当たりの学童クラブ数」が多かった。国分寺市では施設の定員オーバーへの対策として、同じ地区内に複数の学童クラブを設置しており、学童クラブの待機児童数はゼロとなっている。他に武蔵野市、三鷹市、小金井市、日野市、国立市、羽村市の6つでも、学童クラブの待機児童数がゼロとなっている。
小金井市では運動カテゴリーが高得点であり、特に「1日1時間以上運動している児童・生徒割合」が高く、小中学校の全学年平均は6割を超えていた。また、同じ運動カテゴリ―の「体力・運動能力調査合計点」は、国立市、狛江市、羽村市で高かった。
また、武蔵野市、三鷹市、調布市、小金井市、国分寺市、国立市、狛江市については、学力カテゴリーの得点も比較的高く、その他カテゴリーの「国立・私立・都立中学校への進学児童割合」も併せて高い傾向にあった。