多摩けいざい
お客さま景気動向インタビュー
株式会社三浦組
代表取締役社長 五十嵐文樹氏
2023年10月25日
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府中市の株式会社三浦組は、総合建設業として土木工事から建物の施工・アフターメンテナンスまでを一貫して行っている。創業以来、“地場ゼネコン”として地域の中で着実に実績を重ね、多摩地域の公共施設も数多く手掛けてきた。近年は都心の物件の受注が増加するなど、新たな領域を拡大している。
直近の経営動向について
当社は不動産会社の元請けとして建物完成まで現場を取り仕切ることも、大手ゼネコンの下請けとなって土工事や基礎工事を行うこともあります。今は元請けとして受注している案件がおよそ7割を占めています。中でも最近多いのがデザイナーズマンションの受注で、施工実績は150棟を超えました。
近年は資材の高騰や職人の減少などが続き、建設業を取り巻く環境は年々厳しくなっています。当社は現時点では安定した利益を確保できているものの、今後の不透明感は増す一方です。また、いわゆる建設業の2024年問題も目前に迫っています。当社では労働環境の改善に向けて、働き方改革を進めていくためのロードマップを作成し、取組みを進めています。
人材の確保と育成について
現在の社員数はおよそ70名で、新卒採用も積極的に行っています。大手ゼネコンと違い知名度が低いため、建築関係の大学や専門学校で、教員から学生に当社を紹介してもらうこともあります。最近の学生は地元志向が強く、当社のような地場ゼネコンに就職を希望する学生も増えているので、そこから採用につながることもあります。女性の現場監督も年々増えており、今は4名ほど現場で働く女性がいます。
新入社員は、入社後1か月程度は現場に出さず研修期間に充てています。基礎知識を学んだり、社内外の建築物の見学をしたりしながら、チームワークを育みお互いに話ができる環境をつくります。その後はそれぞれが別の現場に配属されるのですが、1年間は毎月研修の時間を設けています。この取組みを始めてから新入社員の定着率が上がりました。
2棟目の自社物件完成イメージ(品川区)今後の事業展開について
当社では数年前から、土地を購入し設計から施工まで全てを自社で担う取組みを始めました。今は2棟目の物件に取り掛かっています。自社物件を持つことで社員のモチベーションも上がりますし、高い収益性が期待できます。これまでの施工で得た知見を活かすためにも、自社物件への取組みは今後も続けていきたいです。
建設業を営む当社にとって、一番の財産はやはり人です。この先は、物心両面でより働きやすい職場づくりを目指していきたいです。それが実現できれば、品質や安全性など当社が持つ価値もさらに高まっていくでしょう。現在創業64年を迎えましたが、地場ゼネコンとして地域とともに末永く発展し続けていくために、この先も地道に、そして堅実に歩んでいきたいです。
(インタビュー日時: 2023年8月22日)
株式会社三浦組
代 表 者: 五十嵐 文樹
本社所在地: 東京都府中市若松町1-10-3
業 種: 総合建設業