多摩けいざい
お客さま景気動向インタビュー
有限会社小沢製作所
代表取締役 小沢達史氏
2023年7月25日
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八王子市の有限会社小沢製作所は、50年以上にわたり精密板金加工を専門とし、主に産業用機械部品の製造を行っている。3代目の代表を務める小沢達史氏は、2019年にアウトドア製品のオリジナルブランド“OZOPS”を立ち上げるなど、地域との連携を深めながら新たな取組みを進めている。
直近の経営動向について
当社の特徴は、精密板金加工を行う2次サプライヤーとして、幅広い業種と取引していることです。コロナ禍では売上げは減少しましたが、業種ごとに需要の低迷・回復期が異なったため、経営への影響は軽減されました。
自社商品のアウトドア製品は、既存の技術や設備を使って製造しています。同じ八王子にあるNPO法人との出会いがきっかけでアウトドア製品の製造を始めました。自社商品を持つことで、OEMにつなげるのも一つの狙いでした。実際に、受注は年々増加しており、今では売上げの1割を占めています。
2019年に”OZOPS”を立ち上げてから、メディアに取り上げられる機会も増えました。取材記事を読んで求人に応募してくるなど、新たな人材の採用にもつながっています。また、自社商品や自社に対する社外の反応を目の当たりにしたことで、社員にとって刺激となり、社内のモチベーションが上がりました。
原材料価格の上昇について
当社でも影響は受けており、取引先への価格転嫁も止むを得ない状況でした。長年の取引先も多く、価格交渉は簡単ではありません。しかし当社では、原材料価格の上昇が世間で大きく取り上げられている状況をチャンスと捉え、販売価格を今の情勢に合うように取引先ごとに見直すことにしました。中には、1次サプライヤーと当社ともに不採算事業となっていたものもあり、その事業は両者の合意のうえ、廃止としました。結果的には、今回の見直しによって利益率は大きく改善し、会社にとってプラスとなりました。
新商品の「小焚台」は組み立て式で、子どもの工作にも適している今後の事業展開について
板金の技術は、日本にものづくりがある限りなくなることはないでしょう。取引先からの要望も年々高度化しているので、当社でも社内の技術向上を図っていきたいです。それは同時に、自社商品の品質を高めることにもつながります。
”OZOPS”では子ども向けのイベントの開催や工場の見学などを行い八王子に人を呼び込むことで、地域振興にも貢献していきたいです。同時に、国内需要の変化への備えとして海外需要の取り込みも視野に入れており、インバウンド向けのPRや海外向けの展示会への出展など、少しずつ動き出しています。将来的には、アウトドア製品以外にも自社商品の幅を広げることも考えており、新たな事業の柱として成長させていきたいです。
(インタビュー日時: 2023年5月30日)
有限会社小沢製作所
代 表 者: 小沢 達史
本社所在地: 東京都八王子市美山町2161-6
業 種: 精密板金加工業