多摩けいざい
お客さま景気動向インタビュー
株式会社川西
代表取締役社長 大賀美夏子氏
2023年4月25日
ページ 1/1
豆腐をはじめとした大豆加工食品を製造する工場のトータルエンジニアリングを行う株式会社川西。設計から施工、アフターメンテナンスまでの一貫した対応が強みだ。代表取締役社長の大賀美夏子氏は、先代の川西聡一郎氏から1年半ほど前に事業を引き継ぎ、会社の発展のため日々奔走している。
事業の概要について
当社の営業エリアは関東全域、北海道、沖縄と範囲が広く、連絡があればどこにでもすぐに飛んでいける体制を整えています。豆腐工場であれば、原材料の大豆からパックされた豆腐を出荷するまでの一連の流れに沿った機械設備の選定、据え付けとその後の点検、修理などをワンストップで対応しています。
他には、工場の“もったいない”をなくす取組みに力を入れ始めました。これは、取引先からの「水道光熱費や産業廃棄物の処理費が多くかかっている」との声がきっかけです。具体的には、豆腐の製造工程で使用するお湯を再利用する配管工事や、排水処理の過程で出る脱水汚泥を乾燥させて肥料にする機械の導入などを提案しています。これらの取組みは、環境への配慮やSDGsの観点からもますます需要が高まっていくと考えられます。
経営動向について
コロナ禍では対面による営業活動が制限され、取引先の多くは先行き不透明な状況が続いたことから設備投資に消極的となり、苦しい時期が続きました。今期はようやく主要な取引先である豆腐工場からの受注が戻り始めています。それでも、今までと同じ事業を続けているだけではこの先は生き残っていけないと危機感を持ち、豆腐業界以外の業界とのつながりも増やしてきました。今ではそれらの売上げに占める割合は4割程度まで増加しています。取引先が製造するものが変わっても、工場をよりよいものにするという目的と、そのための機械を仕入れて据え付けるということは変わりません。さまざまな業界のお客さまとの付き合いができたことで間口が広がり、今では施工をしたお客さまからの紹介で、新たな工場から設備に関する相談を受けています。
脱水汚泥を乾燥して資源化できるCCDWドライヤー今後の事業展開について
大手メーカーも含め競合先が多く乱立状態にある豆腐業界で、厳しい状況に置かれながらも頑張っている豆腐工場を引き続きサポートしていくとともに、取引先の幅を広げて新たな事業の柱を立てていきたいです。例えば、豆腐を原料にした「とうふミート」製造装置の開発もその一つです。
今は、父でもある会長の川西との引き継ぎをしながら事業を進めています。2人で表に立つことができる期間はとても貴重であり、会社に勢いをもたらしています。この勢いを維持したまま、攻めと守りのバランスを大切に、元気のある会社であり続けたいです。
(インタビュー日時: 2023年3月3日)
株式会社川西
代 表 者: 大賀 美夏子
本社所在地: 東京都武蔵野市八幡町4-5-5
業 種: 食品機械器具卸売業