多摩けいざい
特集 多摩のうごきを知る
「東京たま未来メッセ」始動
2022年10月25日
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産業交流の新たな拠点として
東京都は「『未来の東京』戦略」において、昭島の「産業サポートスクエア・TAMA」、立川の「TOKYO創業ステーションTAMA」、そして東京たま未来メッセが連携して、多摩地域の大学、研究機関、専門人材、大手ハイテク企業、高い技術力を有する中小企業等の集積と、国内外の先端産業やスタートアップとの活発な融合により、世界有数のイノベーション先進エリアとしての地位を確立させていきたいとしている。
東京たま未来メッセでは、企業の展示会やイベントに集まる人の出会いや交流の場となることで産業交流を活発化させ、イノベーションの創出を促していく。それらを実現するために単なる場所の貸し出しに留まらず、産業支援のコーディネーターを配置し、運営サイドも仕掛け人となって企画を行うなど、自ら多摩地域の産業のポテンシャルを発信する施設を目指す。
多摩地域では待望の大規模コンベンション施設ということもあって、開業前の段階から問い合わせが相次いでおり、続々と予約が入っているという。その内容は企業の展示会のほか、医療機関のセミナーや大学の国際学会など多岐にわたっており、地域における関心の高さを窺うことができる。東京たま未来メッセの利用料金は、都内の類似施設と比較すると低めに設定されている。駅からのアクセスが良く、リーズナブルな料金設定になっていることで、より多くの企業や団体、個人が利用しやすくなり、その分交流の機会も増えるという好循環が期待される。
地域の中で東京たま未来メッセが担う役割
八王子市では従来から、一般の観光旅行に比べて消費額が大きく地域に与える経済効果が高いMICE※2の誘致に積極的に取り組んできた。そこに東京たま未来メッセが加わることで、八王子市や多摩地域にとっては産業振興や地域活性化を加速させる大きなチャンスとなる。本施設の機能を十分に活かすためには、集まった人々が産官学民の垣根を超えて交流できる仕組みづくりが必要不可欠であり、関係各所との連携も重要となる。
センター長である石井正樹氏は、「この施設を拠点にして様々な場所を訪れてもらい、八王子市だけではなく多摩地域全体を発展させていきたい。いろいろな人が集い多様性を受け入れる地域、そして日本各地や世界へ発信できる新たな文化を生み出すことができる地域を目指したい」と意気込む。東京たま未来メッセが持つ可能性は大きく、各自治体や地域の団体と協力し連携することで、その可能性はさらに膨らんでいく。東京たま未来メッセの誕生は、八王子、そして多摩地域にさらなる賑わいをもたらすことだろう。(畑山若菜/編集:野村智子)
※2 企業等の会議(Meeting)、報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際機関・団体、学会等が行う国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字のことであり、多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称