多摩けいざい

多摩のうごきを知る

高尾山観光の現在と未来

大本山髙尾山薬王院

法務課長 上村公昭かみむらこうしょう

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御本社と天狗像

新型コロナウイルスの影響について教えてください。

 参拝される方々は、コロナウイルスの終息や景気の回復を祈り、丁寧にお参りする方が多くなった印象がありますが、例年と比べるとお参りする方の数は確実に減っています。バスツアーや、講社という団体でのお参りもなくなりました。護摩を行う際、以前では考えられませんがマスクを着用してお経を唱えることも当たり前になりました。また、現在お堂への入場を制限しており、限られた人しか入れないようになっています。本来であればこのような苦しい状況の時こそ、多くの方に参拝していただきたいという思いは常に心の中にあります。その分、私たちが皆さまの分まで、という気持ちで祈祷をしています。

 新たな取組みとしては、毎年7月に写経大会を開催しているのですが、去年から自宅で写経したものを郵便で送ってもらう「在宅写経」を取り入れました。この取組みは好評を博しています。参加をしたくても、様々な事情をお持ちのために直接来ることが難しい方もいるので、このような方法は一つの選択肢として今後も必要かもしれません。

今後の展望について教えてください。

 私たちにとって、皆様の安全を祈願するとともに、コロナウイルスの終息を祈ることが一番大切な勤めです。昨年6月には日本遺産に認定されましたが、コロナ禍のため大々的にお祝いすることができず、残念ながらまだあまり周知が進んでいません。流行が落ち着いてから、日本遺産の認定や第三十三世貫首の就任を改めて皆さまにお知らせしていきたいと思います。そして高尾山に登って自然に親しんでもらい、山の澄んだ空気を吸ってリフレッシュしていただきたいです。また、今後はより多くの人に薬王院の存在を知ってもらいたいと思っています。地元の方とも連携して、様々な活動や対策を取りながら地域全体が一体となって高尾山を盛り上げていきたいです。


(インタビュー: 2021年6月28日)

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