多摩けいざい
特集 多摩のうごきを知る
外国人材活用の最前線
株式会社ASIA Link インタビュー全文
2020年4月27日
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中小企業が外国人材を採用する際のポイントや注意点があれば、教えてください。
外国人材を採用する際に重要なことは、「採用する目的」と「期待する役割」を明確にすることです。「外国人でもいいから採用したい」という考えでは、外国人材と企業の両方が不幸になることが多いです。採用する前に、必ず目的と役割を明確にし、「外国人だからこそ採用したい」という考えで臨みましょう。また、特に最初の1人目の採用は、重要です。お勧めするのは、明るくて積極的に話しかけてくる親しみやすい性格の留学生を採用することです。日本人はどうしても外国人に対して身構えてしまいます。外国人から積極的にコミュニケーションをとれば自然と会話が生まれるので、社内に溶け込みやすくなります。お互いに会話がなければ、誤解も生まれてしまいます。もちろんスキルが高いことも大切ですが、性格も重要な要素の1つです。
次に、外国人材は、日本で技術や知識を得たいと考えています。キャリアパスがあいまいなままでは、自身の成長を見出せず、企業に定着しません。そこで、外国人材が企業に定着するための3つのポイントを挙げます。
一つ目は、日本人と外国人の社員に、「良い区別」をつけることです。もちろん差別は良くありませんが、外国人材の能力が生かせる役割を明確にして仕事を分担させなければ、外国人材は日本企業で働く意義を見失います。意欲や能力が伴っている外国人社員には、早い段階から役割に応じた仕事に就かせるなどの対応が必要です。
二つ目は、密なコミュニケーションを心がけることです。特に、外国人材の活用方針については、最初に言ったきりにならずに、事あるごとに伝えるようにしましょう。小さな悩みや誤解が、次第に大きな溝になっていくことがあります。求める役割や会社のビジネスの方向性などを伝え続けることが大切です。
三つ目は、日本人社員との意識の共有を図ることです。社内で軋轢が生まれないように、外国人材を採用する目的を日本人社員にも伝えましょう。経営陣だけでなく、直接現場で接する社員含めて全員に意識を浸透させることが大切です。
一番良いのは、会社と外国人材の活用、そして日本での生活(人生)の3つの将来像を経営者自らが示してあげることです。これは経営者の意向を反映しやすい中小企業ほど、実現しやすいはずです。
最後に、外国人材の採用を検討している中小企業の経営者に向けてメッセージをお願いします。
日本に来る外国人材は、日本語まで勉強してくれる有難い存在であり、そして日本にとって財産だと思っています。外国人材の活用は、ビジネスを発展させ、さらには組織の活性化にもつながります。
現在のビジネスは、日本国内だけでは完結しなくなっています。このような状況で、社内にいるのが日本人だけでよいのでしょうか。ビジネスもどんどん垣根を越えていきます。いざ海外取引を始めると、衝撃的な出来事も起きるでしょう。その前に、社内に外国人材がいるとカルチャーショックは少なくて済みます。外国人材を採用する前は、不安に思うこともあるかもしれません。しかし、実際に採用した企業をみると、社内に変化が生まれ、最終的に良い結果になることが多いです。
中小企業の経営者の方には、是非外国人材の活用に一歩踏み出してほしいですね。
(インタビュー日時: 2020年3月23日)
株式会社ASIA Link(アジアリンク)
代表取締役: 小野 朋江
本社所在地: 東京都小平市小川町2-1971 エッグビル305
業種: 外国人留学生・高度外国人材専門の人材紹介業