多摩けいざい
特集 多摩のうごきを知る
多摩地域における民泊の動向
民泊事業者インタビューNo.04
2018年11月2日
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民泊の運営に管理会社などは利用されていますか。
使っていません。うちの場合、近所に住んでいる主婦の方がサブホストとして登録してくれています。その方は私の飲み友達なのですが、申し込みの受付をしてくれたり、部屋の片付けをしてくれたりしています。
うちの場合、ゲストがチェックアウトしてから別のゲストを泊めるまで、必ず2日はクローズするようにしています。天気が悪いとシーツが洗えなかったりすることもあるので。年間の稼働率については、年末年始の休みや、自分の旅行の休みなどを考えると、150日ちょうどくらいになると思います。
民泊をされていることについて、近隣の方はどのような反応でしょうか。
私は、現在の住所に住み始めてから60年くらい経ちます。ご近所の中では、古株です。そういう意味では、ご近所の年配の方はある程度は知っています。
法律により、民泊を始める際に近隣の方に民泊を行っていることを通知しなければならないという決まりになりました。そこで、私の場合「民泊をやるのでよろしくお願いします」という通知ととともに、日程を決めて是非ご近所の皆さんで一緒に集まって食事しましょうと誘ったんです。これまで付き合いがなかった若い人にも声をかけました。それがきっかけとなって、今では交流が生まれて、うちにも出入りするようになりました。
私の住んでいる地域の場合、町内会のようなものがなく、そういう意味ではつながりが希薄だったと言えます。でも、民泊の件で声をかけたことがきっかけとなって、改めてつながりが生まれてきていると感じますし、自ずと民泊にも理解を得られていると思います。
それと、近隣との関係で言えば、道で迷っているゲストの方を近所の方がうちまで連れてきてくれたこともありました。その方と私は面識がなかったのですが、私の家の前にウェルカムボードを出していたこともあり、それを見ていた方が、「あのうち民泊やっているんだ」ということ知っていて、道を教えてくれたのだと思います。
最後に、一言お願いいたします。
現状の法律の制限に不満があります。やはり、ゲストは日本らしい生活の体験を求めている中で、それを提供できないというもどかしさがあります。その一つが食事です。法律上ホストはゲストに対して食事を提供することはできません※。食事をしたい場合、外食をするか、コンビニでお弁当を買ってください、ということになるのですが、これは民泊が提供できる魅力を大きく損ねているように思います。
私は、よく家で友人たちとバーベキューをするのですが、一緒に食事したり、お酒を飲んだりすると、一気に親密度が増して、それがとても楽しい。ゲストに対しても、そういった交流ができるような法律にしてほしいと思います。
どうもありがとうございました。
(インタビュアー:中西 英一郎)
※ 民泊で食事を提供する場合、「飲食店営業許可」が必要になります。