多摩けいざい

特集 多摩のうごきを知る

多摩地域における民泊の動向

民泊事業者インタビューNo.03

2018年10月25日

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お話を伺った方:石井博さん(調布市在住)
取材日:2018年9月20日

お話を伺った石井博さん

民泊を始めたきっかけについて教えてください。

 息子から、「民泊をはじめたらどうか」と提案されたことが直接のきっかけです。これから東京オリンピック・パラリンピックや、ラグビーのワールドカップがあるので、それに向けて民泊を始めたらどうかと言われました。息子は、今の家とは別のところに住んでいるのですが、部屋も空いているしちょうど良いかなということで、民泊の仲介サイトに登録しました。主に家内がやっているのですが、私も初期投資のためにお金を出したり、ゲストとの交流を楽しんだりしています。

 現在部屋を貸しているのは、この家の2階です。10畳の部屋と6畳の部屋があって、最高4人まで泊まれるようになっています。10畳の部屋には、ベッドが三つあって、6畳の部屋にはソファベッドやテレビ、冷蔵庫、電子レンジなどを用意しています。また、お風呂はゲストと共用で利用しています。

石井さんのご自宅の2階の部屋(10畳)

民泊を始めるに当たって、誰かにサポートを受けましたか。

 特段、誰からもサポートは受けていません。ただ、民泊を始めるに当たって、初期投資はそれなりにかかっています。ベッドや布団、ソファ、テレビ、冷蔵庫、電子レンジの購入や、壁紙の張替えなどの費用がかかっています。その他に、あとから2階に流し台の取り付け工事もしました。

稼働率はいかがですか。

 民泊新法がスタートした6月以降、ほとんど毎日ゲストが来ています。おそらく、先に年間180日の枠を使い切ってしまうので、後になって依頼を断るようになってしまうと思います。

 価格設定については、最初ゲストが泊まってくれるかもわからなかったので、安く設定しました。ただ、仲介サイト側がその時々の周囲の物件の相場に合わせて自動で価格を変動させており、ピークの時期などは通常よりも高く設定されます。基本的に自分で価格を上げることはしていません。

どのような方がゲストで来るのでしょうか。

 やはり、調布市は都心からも近く、観光しやすいということで泊まる方が多いように思います。例えば、この前泊まった中国人の女性三人組は長崎にある大学の留学生で、東京観光のために泊まっていきました。そのあとは、富士山に行くということでした。

 それ以外にも、武蔵野の森総合スポーツプラザで行われるバドミントンの試合に出場するために来たフィリピン在住の日本人の方や、調布市内のボルダリング大会に出場するために来た外国人親子、サントリーホールで演奏するためにきたフランス人のチェロ奏者など、これまで様々な目的を持ったゲストがうちを利用しました。日本にいる親族や友人に会いに来る人もいます。

 ゲストのうち、3分の2は外国人です。全体としては、アジアの方が多いですが、欧米の方も多く泊まっています。若い方もいれば、年配の方もいて、幅広い年齢層の方が利用されます。

石井さんのご自宅の2階の部屋(6畳)

民泊を実際に始めてみて、いかがですか。

 毎日色々な国の方が来るので楽しいですよ。記憶に残っているのは、台湾人のカップルとその妹の3人組のゲストです。日本での観光のために一週間くらい滞在していたのですが、毎日のように私たちがいる1階のリビングに降りてきて一緒に話をしました。滞在中、家内とゲストが近くのスーパーに買い物に行って材料を買い、台湾流のマーボー豆腐と鳥のケチャップ煮の作り方を一緒に料理をしながら教わったこともあります。こちらも楽しませてもらいました。

 反対に、これはちょっとと思ったのは、日本人男性の若者4人組が泊まったとき。夜中までずっと起きていて、こちらもよく眠れなかったことがありました。でも、そういう経験をしたのは、その一回だけです。

 ゲストの中には、日本の文化がわからず靴のまま上がってしまう人や、反対に玄関の前で靴を脱いで入ってくる人もいましたが、そういったことは習慣の違いなので仕方がないと思っています。若い子も多いので、子どもが戻ってきたような感覚かもしれませんね。夜の11:00に戻ってきて、それからシャワー浴びたり。若い子だから仕方がないと思って楽しんでいます。

 ゲストと交流を持つケースは全体の半分くらいです。それは、ゲストのスタンスにまかせています。一人で泊まる方は、割と話しにいらっしゃる方が多いように感じます。外国の方とのコミュニケーションは、主に英語です。私は少しだけですが、家内は日常会話くらいであれば英語を話せます。ただ、当然英語が通じない方もいるので、そういう時は身振り手振りとかで伝えたり、スマートフォンの翻訳機能を使ったりしてコミュニケーションを図っています。仕事としてやりとりをするのであれば、やはりある程度の英語力は必要だと感じます。

今後のことについて教えてください。

 現在のところ、収益のことは二の次であって、ゲストとの交流を楽しむというのがメインの目的になっている感じはあります。今後は、ある程度の収入を得るために、単価を上げることも検討しています。

 それと、実はまだ2階にもう一つ部屋があるので、3部屋目を民泊用に増やそうかなと考えなくもないです。ちょっとどうなるかはまだわからないのですが。

どうもありがとうございました。


(インタビュアー:中西 英一郎)

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