多摩けいざい
お客さま景気動向インタビュー
株式会社サン・エキスプレス/遠藤商事株式会社
代表取締役 遠藤隆之氏
2018年7月25日
ページ 1/1
1969年に自動車運送業として創業し、物流事業と遊具などの組立・取付事業の分社化、先代からの事業承継を経て、現在に至る。サン・エキスプレスでは、国分寺市をはじめ、東大和市、立川市など多くの自治体の委託を受け、廃棄物の収集・運搬や貨物運送を請け負う。グループ会社の遠藤商事では、公園遊具の設置やリサイクルプラントの運営など幅広く事業を展開している。
当社について
代表取締役 遠藤隆之氏
創業当初は主に貨物の運搬を行っていたが、その後公園やマクドナルドの店舗内にある遊具の組立・取付などの事業に進出した。1987年には運送部門をサン・エキスプレス、翌年に組立・取付部門を遠藤商事として分社化した。その後、サン・エキスプレスでは現在の主力事業である自治体の廃棄物の収集・運搬の委託を受けるようになった。
私(現代表取締役)が入社したのは2005年である。当初は、先代である父より事業や経営について学び、将来的には事業承継することを想定していたが、入社後2年と経たないうちに、先代が急逝。突然、代表取締役となった当時は、事業のことも、経営のこともわからず、社員の3分の1が辞めてしまうなど苦労もあった。そのような中、トラックやバス事業からの撤退や、所有していた流通センターの処分など改革に取り組み、経営の安定化を図った。また、2010年には武蔵村山市に中間処理施設リサイクルプラントENDOHを開設。廃棄物の回収から中間処理まで一貫したサービスを提供できるようになったことが当社の強みの一つになっている。業界動向について
運送業については、深刻なドライバー不足や最低賃金の引き上げなどによる人件費の増加により、中には廃業してしまう同業者もある。また、官公庁の事業の入札価格も低下してきており、当社でも年々利幅は低下している状況である。そのような厳しい外部環境の中で勝ち残っていくために、当社では社員教育に力を入れている。
人材確保について
人材不足は当社でも影響を受けている。不足分については、人材派遣会社などからスポットで対応しているものの、費用がかさむため自社での人材の確保に力を入れている。
その一方で、「若者の車離れ」と言われるように、若年層では運転免許を持っていない人やオートマチック車限定免許の人も増えてきている。そのため当社では、運転免許取得支援制度を設け、入社後の免許取得を支援している。他にも、手袋や安全靴を購入するための消耗品手当の支給など、福利厚生の充実やベースアップに取り組んでいる。
2017年3月に準中型の免許区分が新設され、取得条件が緩和された。ドライバー不足に悩む運送業界にとって人材確保につながると期待されている。
今後の事業展開
廃棄物の収集・運搬や処理には自治体の許可が必要であるため、営業エリアを拡大していくことが難しい。そのため、同業種のM&Aによる事業拡大なども検討している。
当社の事業は、サービス業であるという認識を持っている。普段接するお客さまや地域の皆さまから、「あの会社に頼めば安心だよね」「あの会社の人は感じがいいよね」と思ってもらうことが重要であると考えている。そのため、挨拶やコミュニケーションなどのマナーを大切にするよう、さらに社員教育に力を入れていきたい。単なる価格競争ではなく、人で選んでもらえる会社になれることがベストだと考えている。地域から信頼される会社を目指したい。
(インタビュー日時: 2018年5月28日)
株式会社サン・エキスプレス/遠藤商事株式会社
代表取締役社長: 遠藤 隆之
本社所在地: 東京都国分寺市並木町3-7-2
業種: 廃棄物収集運搬業・一般貨物運送・引越/廃棄物処理業・講演遊具の組立および取付